【dailyコラム】平成26年度税制改正大綱 資産課税(譲渡所得・相続税)編

本日のdailyコラムは『平成26年度税制改正大綱 資産課税(譲渡所得・相続税)編』です。

先ず譲渡所得、次いで相続税・贈与税の主な改正項目から概観していきます。

(譲渡所得関係)

ゴルフ会員権等の損益通算廃止

ゴルフ会員権等の譲渡損失を他の所得との損益通算を認めないこととしました。この改正は、平成26年4月1日以後に行う譲渡から適用です。

相続税の取得費加算の特例の縮減

取得費加算については、譲渡した土地等に対応する相続税相当額とすることとされました。この改正は、平成27年1月1日以後に開始する相続等によって取得した土地等の譲渡から適用です。

特定の居住用財産の買換等

特定の居住用財産の買換等の場合の長期譲渡所得の課税の特例については、譲渡資産の譲渡対価に係る要件を1億円(現行:1.5億円)に引き下げた上、その適用を2年延長することとされました。この改正は、平成26年1月1日以後に行う居住用財産の譲渡から適用です。遡及適用ですので留意が必要です。

公益法人等に対する株式の寄付制限

公益法人等に株式を寄付するにあたって、その株式が発行法人の発行済み株式総数の2分の1を超えて寄付した場合には、寄付者の所得税等を不当に減少させるものとして非課税要件には該当しないこととされました。この改正は、平成26年4月1日以後に行われる株式の寄付について適用です。

(相続税・贈与税)

医業継続に係る相続税・贈与税の納税猶予等の創設

この制度は、厚労省の要望で、期限(最長3年間)を定めて「持分なしの医療法人」への移行を進める手段して認定医療法人を創設、その認定移行期間中の相続税・贈与税の納税を猶予し、移行後に猶予税額を免除する仕組みです。しかし、持分放棄が前提です。この認定医療法人ですが、今年の通常国会で医療法を改正し、創設される見込みです。

扶養義務者からの贈与についてQ&A

税制改正項目ではありませんが、昨年末、国税庁から父母、祖父母から生活費等の贈与を受けた場合の贈与税に関するQ&Aが公表されました。

それによると、数年間の生活費等の一括贈与であっても生活費以外に使われていなければ贈与税の課税対象にはない、とする幾つかの取扱いを示しています。

   会員権、今値上がりしているようですね!

 

 

【dailyコラム】平成26年度税制改正大綱 法人課税編

本日のdailyコラムは『平成26年度税制改正大綱 法人課税編』です。

法人課税に関しては、「年末の大綱」とそれに先立つ「秋の大綱」(平成25年10月1日発表)があります。「秋の大綱」の主眼は、成長戦略のより一層の推進です。以下、大綱の主な改正項目をみていきます。

生産性向上設備投資促進税制の創設

産業競争力強化法の施行日から平成29年3月31日までに、一定の設備を取得等した場合には、以下の特別償却(即時償却)又は税額控除ができることとしています。

~28.3.31 ~29.3.31
機械装置、器具備品等 即時償却又は5%の税額控除 50%特別償却又は4%税額控除
建物、構築物 即時償却又は3%税額控除 25%特別償却又は2%税額控除

なお、平成26年3月31日以前に終了する事業年度の投資分については、平成26年4月1日を含む事業年度において相当額の償却又は税額控除ができるとしています。

中小企業税制の拡充と延長

中小企業促進税制については、その適用期限を平成29年3月31日まで3年間延長し、産業競争力強化法の施行日から平成29年3月31日までに取得等した特定機械装置等が生産性向上設備投資促進税制の対象設備等である場合には、即時償却又は7%(資本金3,000万円以下の中小企業者等は10%)の税額控除ができます。また、中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例も2年延長するとしています。

所得拡大促進税制の拡充と延長

現行の雇用者給与等支給増加割合5%を平成25,26年度2%、平成27年度3%、平成28,29年度5%以上に要件が緩和され、また、「平均給与等支給額」が前年度以上であることの要件も「継続雇用者に対する給与等」に見直した上で「前年度を上回ること」に変更されました。適用期限は平成30年3月31日までと2年延長されています。

復興特別法人税の1年前倒し廃止

復興特別法人税の課税期間を1年間前倒で廃止し、それに伴って、源泉徴収された復興特別所得税額は、各事業年度の法人税から控除又は控除しきれない金額は還付することとされています。

交際費課税の損金不算入制度の見直し

交際費課税については、その適用期限を2年間延長するとともに、資本金の規模にかかわらず、飲食(社内接待費は除く)のために支出する費用の額の50%を損金の額に算入できることとし、また、中小法人にあっては、現行の定額控除800万円と選択適用を認めています。

   大きく成長するかな!

【dailyコラム】成果主義とチームワーク

本日のdailyコラムは『成果主義とチームワーク』です。

成果主義評価は、成果をあげた高能力社員と成果をあげられなかった社員をきちんと区別して評価することができ、真の公平さを持つ評価方法であるとされています。

すなわち優劣の差をつけない“悪平等”が避けられ、高能力で実力を持つ社員を正当に評価することによって、そのモラールを高め、一層活躍してもらえるメリットが生まれる、と言う考え方です。

しかし、その一方で「成果主義評価は高い評価を得た一部の社員にとっては納得性を持つが、会社全体の成果を高めようとする場合にはチームワークを阻害してしまう大きな問題がある。」とする無視できない指摘があります。

チームワークを阻害する訳

 成果主義評価がチームワークを阻害する理由は次のような点にあります。

  1.   社員は自分の評価を高めたいので、自分が持っている知識・ノウハウを仲間や後輩に教えようとしない。その結果業務遂行や改善に役立つ知識・ノウハウが組織内部で共有されず、人材も育たない。
  2.   自部署の持つ知識・ノウハウを他部署に開示すると、その活用によって成果をあげられてしまい、自部署の評価に不利に働くと考え、開示しようとしない。
  3.   このような知識・技術・ノウハウが共有されない組織では、特定の社員や部署における活用に止まり、会社全体での知的財産の有効活用が図れないので、目に見えない大きな機会損失が生ずる。
  4.   チーム目標の達成のためにメンバー全員で努力したのに、一部の目立ちやすいメンバーだけが評価され、下積み的な目立たないメンバーは全く評価されないなど不平等な評価になりやすい。

チームワーク向上・トップの留意点

チームワークを向上させ、機会損失を防ぐには、トップが次の点に留意すべきです。

①   個々の社員や部署が持つ知識・ノウハウの開示を奨励し、登録制度を設けるなど会社の知的財産蓄積に対する貢献を認めて成果として評価する。

②   部署間、個人間の知識・ノウハウ共同活用によるチームワークの成果を奨励し、高く評価する。

③    チーム内の個人の貢献をその度合いに応じて公正、平等に評価する。

   知識・ノウハウの共有、活用を評価!

【dailyコラム】遺族年金の男女格差是正

本日のdailyコラムは『遺族年金の男女格差是正』です。

公務災害の遺族補償年金、夫の請求が通る

最近のニュースで、大阪地裁で遺族補償年金支給年齢に男女差を設けることを違憲とした事例がありました。

遺族補償年金は夫が死亡した場合妻には年齢に関係なく支給されますが、妻が死亡した時は死亡当時夫が55歳以上且つ、夫が60歳になってからしか支給されません。

この事例では地方公務員であった妻が職務上のストレスから自殺し、夫が労災申請をしていました。ところが妻の死亡当時夫が51歳であった為、遺族補償年金は不支給とされてしまいました。夫はこの処分の取り消しを求めて訴訟を起こし、裁判所側は夫の言い分を認める判決を出しました。

女性の社会進出、共働きの増加

地方公務員災害補償法の施行された1967年頃は夫が外で働き、妻は家事に専念すると言う世帯が一般的でしたが1986年の男女雇用機会均等法施行以来、女性の社会進出も増加、2010年時点では専業主婦世帯797万に対し、共働き世帯1012万世帯と大きく増え近年では妻が家計を支えて夫が専業主夫の場合も多々あります。

労災補償に限らず、厚生年金保険や共済組合の遺族年金も妻の死亡時夫が55歳以上、受給は60歳からとなっています。年金財源の問題もあるのですぐに他の遺族年金制度に波及するのかは判りませんが今後見直しの動きがあるかもしれません。

父子家庭の遺族基礎年金の支給

労災補償でない年金では2014年4月から父子家庭にも遺族基礎年金が支給されます。現行の仕組みでは夫が死亡して遺族が妻と子の場合、妻は子が18歳になった年度末まで遺族基礎年金を受給する事が出来ます。しかし妻が死亡しても夫と子は遺族基礎年金を受給する事はできません。一般的には父子家庭より母子家庭の方が生活の困窮度が高いからという事でしょう。しかし父子家庭であっても生活に困っている家庭も多いという状況から、妻が亡くなり夫と18歳の年度末までの子の場合は年1,012,800円が支給されるようになります。また、夫の被扶養配偶者である妻(第3号被保険者)が死亡した場合は夫には遺族基礎年金は支給されません。残された家族が困窮しないように支給するという性格の為、共働き又は妻が収入の担い手であった専業主夫の場合は支給されます。

   遺族補償給付は夫が55歳未満では平均給与額の千日分等の一時金だけの支給です

【dailyコラム】相続時精算課税と暦年贈与 何十年後を予測できるか

本日のdailyコラムは『相続時精算課税と暦年贈与 何十年後を予測できるか』です。

リスク・デメリットの予測

相続時精算課税は、何十年も後になり選択の結果がでる制度であり、その間に何が起きるかわかりません。

相続時精算課税制度の適用選択にはどんなリスク・デメリットがあるか、十分に検討する必要があります。

それでも、起こり得るすべてを予測し切ることは不可能です。

相続時精算課税のリスク

①相続時精算課税適用財産が無価値化になっても相続税額が発生します。

②今次の基礎控除引き下げなどのような相続税制の変更に伴い、制度選択が致命的になってもリカバリー困難です。

③受贈者が特定贈与者より先に死亡すると二重課税になる恐れがあり、受贈者が独身、一人っ子で、先に死亡する場合には、三重課税になりかねません。

④相続時精算課税は一度選択すると、その特定贈与者からの贈与については暦年贈与の選択が一切できず、撤回も不可です。

⑤贈与税の申告内容開示制度により、相続時に他の相続人等からの請求で精算課税贈与額(3年内暦年贈与財産も同じ)が開示されることになっています。

相続時精算課税のデメリット

①相続開始前3年以内の贈与加算される財産は、また、その贈与財産により取得した財産も物納対象となりますが、相続時精算課税制度による生前の受贈財産は、相続時に物納できません。

②相続税の特例として、相続財産に対する小規模宅地等の減額特例がありますが、相暦年課税・続時精算課税により贈与した財産については、同特例は適用できません。小規模宅地等の減額の特例は、非常に効果が大きいものです。宅地等を贈与財産とするときには、この検討は重要事項です。

③暦年課税・相続時精算課税により贈与を受けた財産が土地の場合には、登録免許税の税率は、贈与時の不動産価額に対する税率の1.5%となります。相続であれば相続時の不動産価額に対する0.4%となります。

④暦年課税・相続時精算課税により贈与を受けた財産が土地の場合には、不動産取得税の税率は、贈与時の3%となり、さらに宅地のときは課税標準が1/2になります。相続であれば非課税となります。

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